2026年10月16日
今週は、低い天井の会場での音響システム事例、国内で開催されたワイヤレスの技術フォーラム、新しいUSBオーディオインターフェース、そして空間オーディオシステムのアップグレード事例、計4本をお届けします。今週取り上げたのは、次の4本です。
- Secret Garden Spring、低天井の課題をL-Acoustics A10iで克服
- 『ワイヤレスマイク 技術フォーラム 2026』開催、話題の中心はWMAS
- MOTU(モツ)、新USBオーディオインターフェース「OctaLite」発表
- Meyer Sound、National Sawdustの空間オーディオシステムをアップグレード
Secret Garden Spring、低天井の課題をL-Acoustics A10iで克服
バリ島のライフスタイル複合施設「Secret Garden Spring」に、最大400名を収容するイベント会場「Ambassador Lounge」がオープンしました。この会場は、企業イベントやカンファレンスだけでなく、ライブパフォーマンスにも対応する設計です。しかし、広さ27メートル×19メートルに対して天井高はわずか5メートルで、構造梁もあるという厳しい条件でした。
採用されたL-AcousticsパートナーのPT Gracia Auvindoは、建築図面をもとに梁まで含めた会場モデルをSoundvision上に再現しました。

スピーカーのカバレッジだけでなく、リギング方法や消費電力まで事前に可視化し、コンペでの採用につながりました。低い天井の課題を解決したのは、A10i Focusが2台、A10i Wideが1台の左右アレイと、中央にフライングされた4台のKS21iによるシステムです。

私の見方
低い天井でフライングスピーカーを設置するスペースを確保できない会場は、日本国内にも数多くあると思います。今回の事例は、その解決策の一つとして参考になります。図面だけでなく、実際の音をクライアントに聞いてもらって決定を促す手法は、私たちも取り入れたいものです。
元記事:Secret Garden Spring、低天井の課題をL-Acoustics A10iで克服
『ワイヤレスマイク 技術フォーラム 2026』開催、話題の中心はWMAS
9月30日と10月1日の2日間、東京芸術劇場で『ワイヤレスマイク 技術フォーラム 2026』が開催されました。9月16日には大阪でも開催されています。日本舞台音響家協会など4団体の共同開催で、会場は連日満席だったとのことです。
ベステックオーディオは協力企業として、会場のPAシステムにL-AcousticsのSYVAおよびSYVA LOWを提供しました。

プログラムでは、次世代規格「ダブルマス」や「EW-DX 1.2GHz帯」、新周波数帯における運用調整の仕組みなど、最新動向が解説されました。実機デモでは、ダブルマスを採用した新システム「Spectera」が披露され、実際に電波を発報させて音質を比較する実践的な内容だったそうです。日本におけるダブルマス導入の進捗については、2027年3月までの報告取りまとめを目指すという総務省資料のスケジュールが示されました。

私の見方
ワイヤレス技術フォーラムでも、話題の中心はダブルマスの規格だったようですね。
元記事:『ワイヤレスマイク 技術フォーラム 2026』開催レポート
MOTU(モツ)、新USBオーディオインターフェース「OctaLite」発表
米モツ社が、新しいオーディオインターフェース兼ミキサー「OctaLite」を発表しました。国内では、株式会社ハイ・リゾリューションが発表しています。16×12のUSBオーディオインターフェースで、8基のマイクプリアンプをコンパクトなハーフラック筐体に収めています。
XLR/TRSコンボジャックのマイク・ライン・Hi-Z入力を8系統備え、各入力に個別のプリアンプゲインと48Vファンタム電源を搭載しています。ESS Sabre32 Ultra DACを採用し、CueMix 5アプリでMacやPC、iOSデバイスからミキシングと設定を操作できます。

私の見方
多くの方がSmaartのインターフェースとして使っているRoland「OCTA-CAPTURE」は、販売終了になって久しいです。Smaartソフトウェアからマイクゲインのコントロールが可能な機種は、他にAudient EVOシリーズなどに限られています。今回のOctaLiteにSmaartとの連携機能があるかは、スペック表からは読み取れませんでした。
続報に期待したいです。
元記事:MOTU Now Shipping New OctaLite USB Audio Interface – ProSoundWeb
Meyer Sound、National Sawdustの空間オーディオシステムをアップグレード
アメリカニューヨーク ブルックリンの音楽会場「National Sawdust」が、メイヤーサウンドのConstellationシステムをアップグレードしました。処理エンジンをD-MitriからNADIAへ移行し、Galileo GALAXY 816ネットワークプラットフォームを追加導入しています。

空間ミキシングは、Spacemap Goが制御を担当しています。Constellationのリバーブ処理は、これまでの1台体制から3台体制に増強され、初期反射音を追加できるようになりました。QLabと連動したショーコントロールにより、キューを送るだけでミキシングや空間設定を一括で切り替えられるそうです。

私の見方
ステレオ音源から、空間オーディオ的な包まれる音響体験が得られる流れは、今後ますます広がっていくと感じられるニュースです。国内でも、広がっていくソリューションでしょう。
元記事:Meyer Sound Updates Spatial System At National Sawdust In Brooklyn – ProSoundWeb
まとめ
低い天井の会場での音響システム事例、国内のワイヤレス技術フォーラム、新しいオーディオインターフェース、そして空間オーディオのアップグレード事例をお届けしました。
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